今、ワイドショーで騒がれている、結婚詐欺の女。まだ顔が出ていないが、
以外と普通の顔で、スレンダーボディってわけではないらしい。普通の女。
なるほど、そうでなきゃだまされないかもね。
でも相手の男が次々死んでいるというのは別の事件に発展してしまうのか。
そんな話題から、結婚詐欺の手口!こういう人は怪しい!などの特集をしていた。
結構面白い。69歳の女が42歳と偽ったり、わかるだろう。普通は、
いくら女に縁がなくても、また別の件では、ヘリコプターを買うのでお金が足りない
って、そんなもの買うかって。
こういう人が怪しいっていうのは、両親に合わせない。携帯に電話があっても
出ない。ふーーんって感じだけど、それにしてもどうしてそんなことに
騙されるかねーー。なんて母親と見ていたが、記憶の底から
ふーーーと甦ったことがある。
うちの兄の友達、中学の同級生であるが、当時は我が家に麻雀をやりに
年中来ていた。兄は大学を卒業していたが、音楽をやっていたので、
プー太郎に近い感じで、私は20代前半頃、その人は全身ダンヒルで固めて
いて、今流にいうとセレブな感じ。何らかの病気で髪はなく、いつもすっぽりと
ヅラをつけていて、どういうわけかいつもアタッシュケースを持っていた。
これもダンヒル。よく考えれば怪しさ満載か。
そして彼曰く、自分はFBIの極秘任務についている。
この前は香港で銃撃戦をやり、頬のあたりを銃弾がかすめた。なんて話を
まことしやかにするのだ。今聞けば、ぷーーーっと笑っちゃうような話だけど
何となく当時は信じてた。何とうちの母親まで信じてた。
この時、母親は40半ばすぎ、天然のボケ女なのである。
その人は、彼女もよく連れてきていた。これが美人。そして大人の雰囲気を醸し出
していて、かっこいい人だった。あの人はどう思っていたのか、今や知る由もない
けど、どう考えても荒唐無稽な話。何故信じたかといえば、やたらとお金を
持ってた。考えたら何の説得力もないのだけど、兄が言うには「例のアタッシュ
ケースにぎっしりとお金が入っているのを見せてくれた。」というのである。
然し、この男のいうことは、自分の兄ながらあやしいのだ。
「産まれたとき、母親の産道を通ってきたのを覚えてる。」などという男である。
嘘だ!って言っても、いーーや俺は覚えてるとかいうのだ。変な男なのだ。
話を戻すけど、例えば私の誕生日に年の数だけバラの花を抱えてきて、
食事に行こうって、川崎から銀座までタクシーを飛ばし、銀座のレカンへ。
レカンといえばいわずと知れた高級フレンチ。
そして、レカンでは支配人やお店の人と親しく談笑。
ありがちな手口なんだろうけど、乙女の時代の私、コロリと信じた。
そこでフルコースをとり、そこから六本木のビブロスに踊りに行った。
ここは会員制のディスコ、さらにそこで合流した彼の友人ポールとともに
ポールのマンションへ。とうとうポールの登場である。
ポールが出てきちゃ信じないわけにいかんではないか。
レカンは一度きりだったけど、六本木には何度となく行った記憶がある。
それから、暫くして、ある日やってきたその人が
「F(兄)もいつまでも音楽やっていても芽も出ない。ハワイでレコード店を開こう。
金は出すから」 ハワイでレコード店。これまたプーーっと笑っちゃう話だけど
ボケな母親はかなり本気になっていた。今度その資金を持ってくるね。という。
ところがその日になると、いやちょっとロスに行ってたとかいうのだ。
そんなことが何度かあり、どうも怪しいってことになったけど、
その前に気づけよ。って、うちは全く実害もないからいいけどさ。
それから暫くして、別の兄の友達から呼び出され、どういうわけかまた六本木
で飲みながら、ヤツのいうことは信用するななんて忠告を受けたりして、
それから自分の嘘に気まずくなったか来なくなったけど、あれは今考えても
不思議な日々だった。今はどうしているのか。そしてポールも。